天竜材の歴史・特徴

1.明治期に大植林事業

 天竜林業地域は、静岡県の西北部に位置し、北は長野県、西は愛知県に接し、行政的には天竜市・龍山村、佐久間町、水窪町、春野町の1市3町1村にわたる天竜川流域(いわゆる北遠地域)に発達した歴史の古い林業地である。
 天竜川流域地域の造林は、江戸期に端を発し、特に有名なのが明治期に入り金原明善による一大植林事業で、その面積は約000haに達した。この事業に代表されるように北遠地域の造林は、日本が近代国家の基礎を形成した明治中期から大正期かけて急速に進展していった。
 このように先駆者の献身的な努力により、地域の人工林率は、戦前すでに50%を超えたと言われている。この結果「天竜美林」として、古くから広く世に知られ、林業と木材に関する産業が地域経済の根幹をなしてきた。

 以降、天竜林業は首都圏への羽柄材供給基地として栄え、天竜市を中心に木材産業が集積し、製品の流通を担う産地問屋(産地製材工場の販売代行機関として自立)が発達してきた。現在、北遠地域には木材協同組合傘下の企業は200社を数えており、年間の素材需要量は約44万mであるが、外材の進出は、天竜川地域でも例外でなく、その割合は県全体の75%からみれば少ないものの、それでも66%となり、天竜材の普及を圧伏している。
 外材の普及は広い目で見れば、CO2削減や地球温暖化防止といった地球規模の環境問題への取り組みにもつながり、川や海といった自然環境にも大きな影響を与える。


2.人工造林が80%以上

 総面積9万4500haのうち、林野面積が8万6200haで林野率は91%を占め、地域の活性化には、林業・木材産業の振興を抜きにしては語れない地域となっている。
 民有林の面積は6万8000haで、そのうち人工林が5万5000haとなっている。特に、人工林率81%は県平均の60%に対し大変高く、林業先進地を形成している天竜杉と言われているように、古くからスギを中心に植林され、スギ・ヒノキの比率は2対1で、この2つの樹種で人工林面積の98%を占めている。また7齢級以下の人工林が58%に対し、古くからの林業地であるため、8齢級以上が42%(2万3000ha)と県内の他の林業地に比べて多いのが、特徴的である。



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